チェコで行はれている第16回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会、日本はブラジルと対戦しましたが、79-84で惜しくも破れ10位となりました。

◇戦 評

第16回FIBA女子世界選手権大会の最終戦、相手は予選ラウンドで延長負けを喫したブラジルとの再戦だ。

9月23日の開幕から9日間で8試合目。選手の疲労はピーク。ブラジルも同様だ。

さらに前日同様、9時からの試合ということでコンディション作りも非常に難しい。

日本は前日同様、5時30分には起床し、体操やランニングで身体をほぐした。

しかし、目標のベスト8入りを逃した今、間違いなく9位を確保しなければならない。

疲労や環境は言い訳にならない。勝つ、それだけだ。

スタメン

日本:#4名木(175cm富士通)、#9諏訪(183cmJX)、#12吉田(165cmJX)、#13大神(170cmJX)、#15石川(178cmJBA) 平均身長174.2cm

ブラジル:#4Pinto(170cm),#6Gustavo(183cm),#8Castro(182cm),#9Dantas(192cm),#14De Souza Machado, (196cm)平均身長184.6cm 日本より10.4cm高い(笑)

◇日本は最高の立ち上がりを見せる。

#9諏訪のジャンプシュートで先制すると、#4名木の3Pシュート、#13大神のジャンプシュートが次々決まり、開始1分で7-0とする。しかしブラジルは焦りもなく#14 de SOUZA MACHADO Erikaが決める。前回対戦で32点取られた選手だ。日本の最長身#9諏訪がリバウンドを保持したその上からもぎ取られてしまう。得点をイーブンに戻されてからも日本は確実なシュートで対抗。日本らしい早いトランジションから速攻も出て31-25と6点リードで第1ピリオドを終える。

?ブラジルは#14を第1ピリオド終盤から下げていた。その間にできるだけ点差を離したいが、#14に代わって入った#13SANTOSもゴール下で存在感を示し、点の取り合いとなる。日本のシュートは引き続き好調で、#8鈴木が、#11櫻田(170cmトヨタ)が、#13大神が決めていく。そして#5高田(183cmデンソー)のFTでブラジルを引き離し、43-33と10点差をつける。しかし、#14がコートに戻るとすぐさまリバウンドを取りまくる。さらに日本が#14へのパスを防ごうとすると高い空間へのパスが通り、そのままタップシュート。終盤にフリースローも決められて45-42と結局3点差で後半を迎える。

最後の20分。

序盤の取り合いの中、#8鈴木の3Pシュートで52-46と6点差をつける日本。しかしその直後、ディフェンスリバウンドから逆速攻を2本立て続けに決められたところから突如として日本の調子は崩れる。シュートが入らず、ミスやファウルが続き、残り3分に同点に、2分には#13SANTOSのバスケットカウントで52-55と逆転を許す。日本が立ち直れない間にブラジル#13SANTOSが立て続けに日本ゴールを襲い、結局56-62と6点を追う展開となってしまう。

?最後の10分。

日本はディフェンスをゾーンに切り替え、ブラジルのインサイドを抑える。その作戦が功を奏し、パスカットから#11櫻田の速攻、#13大神ステップジャンプシュートが決まり、62-62と同点に追いつく。しかしその後再びブラジルが猛攻。5連続ゴールで62-72と逆に10点差とされる。残り6分。まだ追いつく時間はある。日本はディフェンスをオールコートにしてプレッシャーをかける。残り3分。#13大神のジャンプシュートが連続して決まり、ようやく日本の得点が連なり点差が詰まる。さらに#12吉田がドライブでディフェンスを抜き去り、#11櫻田の3Pシュートが決まる。75-79、残り1分44秒。ブラジルはタイムアウトで日本の流れを切ってくるが、日本の勢いは止まらない。

#15石川のジャンプシュートで77-79、2点差に。ブラジルは#5SANTOSの3Pシュートで5点差に戻すが、日本は#13大神が決めかえして79-82、残り42秒。後1本で追いつける。日本はファウルでブラジルを止める。残り12秒、#5SANTOSのフリースローが2本決まり、79-84、5点差。最後の日本の攻撃。#13大神が3Pシュートを、オフェンスリバウンドを奪った#12吉田がシュートを放つがいずれもゴールネットを揺らすことはできなかった。

79-84で敗れた。

◆インタビュー

◇中川 文一ヘッドコーチ

スタートは良い感じで行きましたが、センターのディフェンスに尽きる試合結果となりました。前半で#13SANTOSに10点、#14de SOUZAにも15点を獲られ、全体を通しても6?7割をインサイドでやられてしまいました。

走ることやセンター以外でのディフェンスは世界でも通用できていると思います。さらに世界で勝っていくためには、吉田選手の得点力とセンター陣の得点力+ディフェンス力が必要になります。

吉田選手の感性は本当に素晴らしいものがあります。パスも良いですし、リバウンドもディフェンスも素晴らしいです。要求しすぎかもしれませんが、90点を目指すバスケットの中で吉田選手の得点力が伸びて欲しいと思っています。

チームとしては、目指しているバスケットができてきています。今日も79得点を挙げ、90点を目指すことでスコアが伸びることを期待していますので、点数を獲りに行くことはできています。

フランス国際大会で6試合と世界選手権での8試合でかなり力をつけたと思います。ロシア、スペイン以外は大敗もしていませんし、シーソーゲームなので選手たちにとっても自信につながったと思います。このまま日本が目指すバスケットの精度を高めて行けば、世界と戦えるという手応えをひしひしと感じています。

走るだけでは点数は獲れない部分も分かりましたので、誰に得点をさせるかなどを明確にしていく必要があります。それぞれ得点を獲れる選手を生かし、苦しい時に打開できるようなナンバープレイを作り上げれば、得点も途切れないのではないかと思っています。

その辺りをきちんと構築していけばもっと強いチームになると思います。

◇#9 諏訪 裕美選手(JXサンフラワーズ)

今日も予選ラウンドで対戦した時と同じく、ビデオを見て相手のフォーメーションを確認してゲームに臨みました。3度目の対戦ですので、相手の特徴を以前よりも理解していましたので、#8CASTROと#14de SOUZAを意識してマークしようという話はしました。

自分にとっては初めての世界大会で、あたりや日本が世界と戦うためにどうしたら良いかということを身をもって体験できましたので、良い経験になりました。

今日の試合でも思っていたよりも自分のジャンプシュートを決めることができ、ポストプレイでのステップも海外で通用すると実感できました。しかし、最後のシュートを決めないと意味がないので、その精度は高めていきたいです。

あとは日本の速さも世界と対等に戦えましたので、自分がもっと先頭を走れるようにしたいですし、もっと走れたと思います。

◇#12 吉田 亜沙美選手(JXサンフラワーズ)

外が頑張っていても中でやられると、そこはチームディフェンスですので、一人でも気を緩めると崩れてしまいます。今日はディフェンスの部分で一人一人がもう少し集中して、いろんな部分で意識をしなければいけませんでした。

前半の終わり方が点が止まってしまい、あまり良くありませんでした。そこから8点リードした時に足が止まってしまう部分がありました。8点リードした時に、さらにもう一度点差を離せるような力を持っていなかったからこのような結果につながったのかと思います。

◇#13 大神 雄子選手(JXサンフラワーズ)

やっぱり勝ちたかったです。昨日のギリシャ戦では日本が8点リードしても追いつくことができましたが、逆に今日は最大11点リードしていたにも関わらずブラジルが追いつける力がありました。

追い上げられる立場になり、これが世界の強さなのかと感じてしまい、そう思った分、引いてしまったという弱さが出てしまったと思います。

勝負どころで#6GUSTAVOのジャンプシュート、#12MARCALの3Pシュートが決まって、今日は#8CASTROや#14de SOUZAではなく、違う選手がシュートを決めるというところも、正直、相手の勢いを感じていました。

今日も5時半に起きてしっかり準備し、リベンジすべく、相当気持ちを強く持って、この試合に入ることはできました。

相手もクセを読んでいるのか、#8CASTROのシュートを抑えられたものの、インサイドでやられた部分は今後の課題だと思います。しかし、そこに対抗できるものがあるからこそ、チェコともクロスゲームになったわけですから、勝ちきるために走ることやミスをなくすこと、勝負どころのシュートを決めることが要求されます。

世界選手権で試合をするという経験があったからこそ、課題が明確になったわけです。

今日は負けてしまい、目標としていたベスト8入りを果たせなかったのも事実です。日本で応援してくださる皆さんからは何やってるんだ、と言われるかも知れませんが、自分たちがやってきたことは間違っていなかったということは選手全員が一番分かっていることです。

試合後のロッカールームでは、次も絶対に世界大会に戻ってこよう、そしてこの悔しさを忘れずに次は絶対に勝とう、と円陣組んで大きな声を出しました。今大会が終わったお疲れ様ではなく、この大会で得たものを次につなげるべくスタートラインに立ったお疲れ様だったと思います。

<戦評、インタビューは日本バスケットボール協会公式ページより転載>


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コメント & トラックバック

これまた僅差でしたねぇ。。。
この大会で日本女子が注目されそうですネ。WNBAからもお誘いがあるかな??
とにかくお疲れ様でした!! 素晴らしいゲームをありがとう!!

落武者さんへ
本当にお疲れ様!!
大神あたりがDraftされたいいんだけど!

惜しいゲームが多々あり、ただ、くやしいの一言です(涙)
身体のサイズが、勝ち負けを左右するバスケットボールって、
つまんないスポーツですね(笑&沈)

Bond_007さんへ
日本女子、もう一歩ですね。
やはり海外や外人と対戦することの経験が必要でしょう。
これで次の大会は伸びますよ。
もしかすると日本は「世界から要警戒チーム」に指定されるんじゃないでしょうか、なんてね。

つまらない、じゃ無くて、「それが面白い!」
自分たちより弱いチームに勝っても面白くない(笑)
と思いましょう。
僕は中学からバスケットを始めたときからそう思ってますから。
それを味わったことの無いBond_007さんとは違います(笑)
尤もBond_007さんは違う意味で苦労したようですが(爆笑)

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