今回西田さんが主宰するTEAM Global VisionのトライアウトにNPO法人リーチ・ユア・ドリーム・オブ・フープ代表として行ってきて、JPことジョン・フィリップス氏に色々と聞くことが出来ました。

今まで私達が考えていたことは、シュートが無茶苦茶に入り、スピードやクイックネスに優れ、身体が良くないとアメリカ、ましてやNBAでは通用しない、と考えていました。

しかしこの考えが少し違うぞ、と気付かせてくれたのが西田さんとシアトルのECBAのJason Baskettとポートランド大の伊藤大司(現トヨタ自動車)君でした。

伊藤大司

日本人の目から見ると「シュートがバンバン入るわけでも無く、スピードがあるわけじゃないし、大して上手く無さそうな伊藤君」が、パック10と言ふアメリカでも強豪が多い大学カンフェレンス(リーグ)のチームのスタメンになれたことです。

これはコーチに恵まれたこともあります、ポートランド大ヘッドコーチのエリック・レベノは日本鉱業(現JX)に在籍していた親日家で、日本人が奥ゆかしく自己犠牲を払い、チームプレーが出来て頭が良いと言ふことを知っていたからです。

この伊藤君の活躍で、ゴンザガ大を始めとするD-1(ディビジョン-1)の数チームから日本人が欲しい、とリクエストされている、と西田さんが教えてくれました。

日本とアメリカの文化の違いや生活のために、アメリカには自分中心のプレーをする選手が多いものです。

極端な話、全米でもトップクラスの大学で数字を挙げ(得点やアシスト、リバウンドの数を多くする)メディアが取り上げてくれればNBAへ行け、大金を稼ぐチャンスが生まれます。

そのためにD-1大学チームからリクルートされるため、高校で目立ち数字を上げるためにシュートを撃ち得点することです。そのため1on1の技術を磨き、ボールを持つと、パスよりも自分のシュートを先に考えます(←これ自体は間違いではありませんが、往々にして無理なプレーが多くなることがあります)。これは「セルフィッシュな選手」と言はれます。

しかしこれを一概に否定することも出来ません。生活レベルが低い人が多いアフロ(アフリカ系人種)系の人たちが大学出の肩書きを得るにはスポーツしか無いと言はれます。

ところが日本人にはそれは必要なく、チームの勝利を先に考える人種で、そのためには自分を犠牲にできます。いわゆる「アンセルフィッシュ」な選手です。

その上頭が良いのでコーチが言わんとすることを理解して忠実に実行に移せます。

これはコーチにとっては重宝な選手なのです。

NBAではセルフィッシュさはそれ以上ですね。自分の生活だけじゃなく、親を始めとする家族の生活が掛かってますから、1点でも多く点を取り、次回の契約時に有利になるようにと考えるのは、極普通のことだと思います。

まあNBA全体も点を取れる選手を重宝する傾向にあるので、尚更それに拍車が掛かるわけです。

今回のトライアウトでJPはリンク栃木のマサこと片岡大晴(かたおか まさはる184cm)と、ナリこと並里成(なみさと なりと172cm)を高く評価しました。

JP並里片岡me

左からフィリップス、並里、片岡、あんどう

その理由は別です。

マサは「ハート」です。優しく強いことです。ディフェンスも高評価に繋がっています。胸を合わせる強いディフェンスを嫌がらず、ハードワーカーなことです。そして常に大きな声を出して皆を盛り上げていることも評価されてます。私も見ていて感じました。マサは良く通る声をしてるから尚更です。

ナリに関して、能力は最高と言ってました。しかし日本人とすると「それは判っているけど身長が低すぎるのでは?」と言ふことだと思います。

しかし今のNBAは変わって来てます、「身長が低いから使えない」とネガティブに考えるのではなく、チビの良さがある筈」となりつつあるようです。

もっとも昔から小さい選手は居ましたよね、古くはカルビン・マーフィー(知らないか(笑))最近では160cmのマグジー・ボーグスも居ましたよね。

バックスのアール・ボイキンスにはクリッパーズ時代に会ったことがありますが166cmの私と同じ身長でしたが、彼はNBA在籍13年間で今シーズンは平均で15分、7.2得点もあげてます。

JPはマーベリックスのホセ・バレアを例えに挙げました。彼がプレーオフで活躍すれば、相手チームは彼を止めるためにも、彼と同じような小さい選手が必要になるはず。そうすればナリが必要になってくる。

ホセ・バレアです

「大事なことは彼らに適したチームに入れること。」とJPは言ってました。

さてマサとナリは、JPに言はせると「良いコンビ」だそうです。

マサはナリのボールハンドリングを見習い、ナリはマサのディフェンスとヴォイスを見習うべきなのだ、と言ふことです。

ですから2人一緒にトレーニングした方が良い、と言ってました。

今回のフィリップス氏の言葉は全てを信じてよいとは思いません。なぜなら彼は社交辞令の上手いアメリカ人だから(笑)

でも私が06年と07年に行ったトライアウトよりもズーーーーーーーーーーーっとNBAに近づいていることは確かです。

田臥くんが切り開いてくれたNBAがすぐそこまで来ているようです。

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